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沖縄密約 「1億ドル供与と推定」口座記録発見(毎日新聞)

 1972年の沖縄返還に絡み日米が外交密約を交わしたとされる問題で、日本政府が秘密裏に1億1200万ドルを米側に供与していたことを示す口座の記録が、財務省の調査で見つかった。日本政府が日銀を通じて米連邦準備銀行(中央銀行)に預金した6000万ドルの記録で、日本側は利子を25年間受け取らず、運用益を米側に事実上供与していた。週明けにも調査結果を公表。事実上、無利子預金で米側に資金提供していたことを政府として初めて認めることになる。

 沖縄返還協定による日本側の公式負担額は、資産の買い取りや核兵器撤去などにかかる3億2000万ドル。しかし、我部政明・琉球大教授(国際政治)が00年に米国立公文書館から入手した文書には、協定の枠外に総額1億8700万ドルの「裏負担」があり、このうち無利子預金の活用で、1億1200万ドルを供与することが明記されていた。6000万ドルは、25年間で1億1200万ドルの運用益を上げるために必要な元本額。日本側の求める「無償返還」を米側が拒否したため、預金の運用益を提供する手法がとられたとみられる。

 今回確認された資料によると、米軍統治下の沖縄で流通していたドルを72年の本土復帰に際し、日本政府が円と交換。旧大蔵省は交換で得られたドルのうち、約6000万ドルを米連銀に無利子預金していた。

 日本政府はこれまで無利子預金の存在を認めておらず、この預金が沖縄返還に伴う財政負担だったと明示する文書も日本側では見つかっていない。だが、財務・外務両省は、無利子預金の口座記録を確認したことで、米側の記載内容が事実だと推定しうると見ている。

 財務省は、外交密約を検証している外務省の有識者委員会(座長・北岡伸一東大大学院教授)の求めと菅直人財務相の指示を受け、関連文書の有無などについて、調査を進めていた。

 ◇ことば 沖縄返還協定の密約

 72年5月に発効した沖縄返還協定の交渉過程で、米軍が負担するはずだった土地原状回復費用などを日本が肩代わりすることにした日米間の密約。密約を報じた西山太吉毎日新聞記者(当時)らが72年、国家公務員法違反の疑いで逮捕された。00年、米国の情報公開で密約を裏付ける公文書が判明。西山氏は、関係文書の情報公開などを求める裁判を起こし、06年には、元外務省アメリカ局長の吉野文六氏が土地の原状回復費と短波放送「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」施設移転費について密約の存在を証言した。

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